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まず安心を。次に再建を。一緒になって問題に取り組みます。

債務整理についてのポリシー

私たちは多重債務問題の解決に関し,単なる過払い返還や和解代行のような表面的な解決に偏るのではなく,依頼者自身の生活再建に一緒になって問題に取り組むことこそ,多重債務問題に関わる専門家としての使命であると考えています。

毎月の定期面談が必要です

大変お手数とは存じますが,原則として毎月1回定期的にご来所いただき家計指導を受けていただくことを債務整理の基本としております。毎月の面談のなかで,今後ふたたび多重債務に陥らないような金銭管理を身につけていただくことが,長期的に見て一番重要なことだと考えています。

経済的再建のためには,周りの方々の協力が必要な場合もあります

家族や家計を同一にしている方に内緒での整理については,場合によってはお引き受けすることができない場合があります。長い返済計画を実行していくには,まわりの方の協力なしには困難なことが多いことと,借り入れの原因が自分でも克服しがたい場合(ギャンブル依存症など)などは綿密な家族の協力が不可欠なことがあるためです。

負債がある場合の過払金返還のみの依頼について

他に負債がある状態での過払金のみの回収は一時的な解決にしか過ぎないことが多く,本当の意味での生活再建にはなりません。そのため,当事務所では過払金回収のみのご依頼であっても,最低限,借入先全体の状況についてはお伺いすることになります。

相談,依頼の手順

多重債務問題とは 任意整理とは 特定調停とは 個人再生とは 自己破産とは

債務整理開始までのフローチャート

(相談したい)

(メール,電話で予約する)

(来所して相談)

相談料は1時間3500円かかります。

お願い:相談に来ていただいた際にお伺いすることになりますので,可能であれば,前もって債権者一覧収支状況を記載してご持参ください。

個人再生等の可能性など,どのような手続きが可能かどうかを正確に判断するためには,登記簿謄本や銀行の借入状況がわかるものなども必要になりますので,初回相談にはできるだけ資料をお持ちください。

(委任したい)

(必要なものを用意する)

(債務整理開始,債権者に受任通知を発送)

(債権者からの催促の停止,支払ストップ)

以上が当事務所の債務整理受任までの流れになります。

受任後のフローチャート

(受任通知発送,債権調査依頼)

(受任から3か月の間にすること)

  • 債務の調査,利息制限法に引直し計算
  • 毎月1回の定期面談(ご来所いただきます)
  • 家計表をつける
  • 返済や裁判所の手続きに備えて積み立て

(債務整理の方針を決定)

毎月の家計の余剰や,積立ができたかどうか,また,利息制限法で引き直した結果や過払金の回収など,いろいろな要素をふまえ,最終的にもっとも望ましい整理方法を選択していきます。

(方針実行)

詳しくは,債務整理の流れ(pdf)をご覧ください。

おおよその手続き決定の考え方

  1. 債務額が3年で支払える額?
  2. (はい) 任意整理特定調停個人再生
    (いいえ)2へ

  3. 定期的な収入がある?
  4. (はい) 個人再生破産手続
    (いいえ)破産手続



多重債務問題とは

まずはじめに

借金は麻薬と同じで,常習性を持っています。できることなら,借金など誰もしたくないでしょうし,するつもりもなかっただろうと思います。ですが,何かの拍子に簡単な手続きで,すぐ50万や100万の金銭が手元に入ってくるとしたら,そして何か支払いに困っているとしたら,あなたはこの魅力に抗することができるでしょうか。

現代社会においては,必要なときに少額借り入れることができる,消費者金融の便利さは否定できません。このページを書いている筆者だって,本当に困ったらぽんと借りてしまうかもしれません。そして最初は何とか倹約して返すでしょう。しかし,一度本来自分の持っている以上のものを一時的にでも手にしてしまうと,金銭感覚はだんだん鈍くなり,借金を常習する期間が長くなれば,やがてはそれが破壊され,結果生活までも破壊してしまうでしょう。

はっきり申し上げます。借金生活からは一刻も早く脱却すべきです。長期的にみると,借金の便利さや効能など百害あって一利もないのです。ここは,借金を何とかして解決しようと考える人のためのページです。

多重債務とは?

まずはじめに申し上げておかねばいけないことは,多重債務問題は単純な利息の問題ではなく,様々な社会要因の元で起こる一つの社会問題だということです。業者が悪で,消費者は被害者だという思考停止に陥ってしまっては何の解決にもなりません。世の中のあらゆるものが,便利でもあり危険でもあるのはむしろ当然のことです。今陥っている状況を人や制度のせいにせず,いかに賢くその制度を使っていくかを学ぶいい機会として,一緒に乗り切ってみませんか?

所詮はお金の問題です。真剣に向き合っていけば,解決しないということはないのです。

借金ってどういうこと?

借金とは,先にお金を手にして,あとでそれを返していくことです。しかしながら返していく額というのは,当然最初に借りた金額だけではないのが通常です。先に楽をするかあとに楽をするかという問題にも似ていますね。

借金にはいい借金と悪い借金というのがあり(本当は借金にいい借金など存在しないのですが),いい借金,まあ言い換えますと必要な借金というのはビジネスのためのものです。

ビジネスは,元手を貯めてからその分野に参入するというのが一番いいのですが,それでは肝心のチャンスを掴み損ねてしまったり,年をとって自分自身の気力を失ってしまいます。せっかくの才能が社会に出なければ硬直した社会になるでしょうし,なにより努力や能力でなく,生まれた環境によって自分の可能性が決まってしまうというのはフェアではないでしょう。努力に応じて成功する土壌を提供するのが金融の本来の役割です。

逆に悪い借金というのは,交遊費や意外と思われるかもしれませんが生活のための借り入れです。これらは自分の現状というのを見失わせ,経済的破綻に足を踏み入れるようなものであって,ひとときの麻酔でしかないのです。

金利の本質

一度お金を借りると,将来それに対し2種類の支払い義務が発生します。一つは元本返済,もう一つは利息の支払いです。

■ ← (利息)
□┐
□│ ← (元本)
□┘

おそらくみなさんは,消費者金融のATMに入れるお金を全部まとめて「返済」していると思っているのではないでしょうか。元本と利息の割合までは理解していたとしても。

しかし,実はそうではないのです。あなたがそこで投入した金額は,2種類の意味合いがあるのです。そして1の元本については,元々借りたものですので純然たる返済です。しかし,2についてはそうではありません。ではなんだと思いますか?

2は,元本を返すことを猶予してもらった代わりの対価なのです。

つまりこれは「返済」しているのではなく,業者に「支払い」をしているということなのです。

貸金業が虚業としてあまり日本人に好かれない理由は,このお金がお金を生み出している構造にあります。それは言ってみれば,「あなたの代わりにほかの買い物したところに待ってもらっててあげるから,給料が出たら,あなたの働いて得たお金から分け前をくださいね。」ということなのですから。そして根本的には貸金業というのは,借り手の収入に寄生する存在であるといえるのです。

よい借金については,利息を払っても,あまりある成長がありますから,結果としてみんな幸せになれます。時を金で買うのがビジネスの世界です。ですが収入と支出のバランスが狂ってしまった生活や交遊費のための借金,いわゆる悪い借金の場合,一時的に楽になってもそれはかりそめのもので結局生活は何も楽にならず,むしろ業者からの利息という名の搾取を受ける生活が幕を開けてしまうことになるのです。

無理なく返せる金額ってどれくらい?

貸金業者の上限利息は29.2%ですが,ここでは便宜上3割として考えていきたいと思います。利息3割というと,100万円借りたとき,1年で30万が利息の支払いになる計算です。もしあなたが1年間借りていて,それを一括して返そうと思えば,1年後に元本と利息で計130万円を返せばよいわけです。月に直すと利息の支払いは30÷12=2.5万円。これならなんだか返せそうですよね。

では続けます。あなたは最初の100万円を約束通り返し終えました。すると幸か不幸か,あなたは消費者金融に「優良なお客様」と認められ,完済したという信用がつくことになり,一社あたりの借入限度額が増えます。

あるとき突然転勤したり病気になったりして,定期的にお金が不足するようになったとします。そこであなたは前の返済で何とかなった経験がありますから,気軽に300万円借りたとします。さて,このとき月々の支払いはいくらになるでしょう?

単純な計算です。300万×0.3=90万。これを月に直すと,7.5万円の利息の支払いが発生することになるのです。一般に利息だけで7万も8万も支払っていると,よほど裕福な家庭でもない限り長続きはしません。無理なく返していける金額というのは,手取りの2割〜2.5割までと言われています。緊縮した生活を送れば3割は可能でしょうが,人間はそんな生活を長くは続けられません。

そこで,利息を返すためだけに,新たな借り入れに走ってしまうわけです。こうしてこのサイクルは破綻するまで続きます。

なぜ破綻するのがわかっているのに借りなければいけないのですか?

返済のための借り入れ,正確に言うと,利息支払いのための借り入れ。なぜこのような異常な状態に多重債務者はおちいってしまうのでしょうか?それは,心理学的な側面から考えないと見えてきません。

多重債務者の心理は驚くほど一様です。
「次の支払いのために何とかしないといけない!」
その気持ちだけで,次から次にカードを使い,返済期日のダイヤグラムを必死で守っているのです。「借りたものは返す。」,「約束は守る」というシンプルな理屈が,行き詰まった債務者をして,なお借り入れに走らせることになると私は考えています。自己暗示にかかってしまうと,一人でそこから抜け出すのは至難の業なのです。

法律家の役割

以上が多重債務を引き起こす,借金の根本的な理由です。そこで,その病巣を外科的な手段で取り除き,解決するのが法律家の役割です。

我々は,解決のためのいくつかの方策を持っています。それがこれから挙げる4つの手段です。

1.任意整理
2.特定調停
3.個人再生
4.破産

そして,債務整理の根本となる武器である利息制限法という法律についても説明させていただきたいと思います。

利息制限法ってなんだろう?

利息制限法とは,貸手と借手の力の差からくる不当な搾取を防止するための強行法規です。この強行法規というのは,これに違反する合意は法律上無効であるという非常に強い法律のことです。具体的にいうと,100万までの借り入れであれば,元本に対し年に18%以上の利息を取ることは許されません。これが民事上の上限金利です。

しかし残念ながら,ほとんどの貸金業者がそれを越え,刑法にふれないぎりぎりのところまで利益を設定しています。貸金業規制法という法律によると,登録業者であれば29.2%の利息までは取っても刑務所に入らなくてすみます。この18%と29.2%という差額が,みなさんが余分に支払ってきたものであって,つまりは業者の不当に稼いだ利益なのです。

我々法律家が介入した場合,18%以上の金利は認めませんから,差額分は元本を返したものとして処理するよう求めます。場合によっては裁判も辞しませんが,近時の最高裁判例では,まず99%以上この不当な金利は認められません。ですから,その分元本を圧縮できるのです。

任意整理とは

任意整理とは,法律家があなたの代わりに代理人となり業者との間に入ることによって,強制的に取り立て等の支払い行為を一時停止し,利息制限法に沿った金額を一括または分割して支払うよう話し合っていく借金整理のことです。現在のところ,弁護士または認定司法書士にしかこれを行うことは許されていません。

この整理方法の特徴は,利息制限法に基づいて債務額を圧縮できる以外に,いくつかの利点があります。
1.まわりに知られることなく借金問題を解決することができる。
2.一部の債権者だけ相手に行うことができる。
3.和解が成立したあとは,将来の利息を払う必要がない。

1について
あとにも述べますが,特定調停,個人再生,破産手続の3つは裁判所を解する手続きです。そのため,誰にも知られずに行うというのは難しいです。特に個人再生と破産については官報公告がなされることになります。

2について
個人再生と破産については,元本を減らしたり無くしたりする手続きですから,そこには債権者平等の原則というルールが働きます。そのため,一部の業者や知人からの借り入れに対しては今までのように支払っていきたいという希望があっても,それはできません。任意整理と特定調停については,債務を整理したい相手方に対してだけ行うことができます。柔軟に対応することができるのです。

3について
借金問題の最大の要点は,借金を重ねることで元本に対応する利息が増え,最終的にはその利息だけを支払っても支払いきれなくなるということでした。そのため,法律家が介在して和解する場合には,元本に対して将来的に利息を付けないという合意をします。これによって,債務の額は確定することになり,約束の回数で必ず返すことが可能になるのです。だいたい3年36回払いが基本になります。

将来利息をカットすることによる解決

特に,もっと早く相談に来ていただいていればこんなに疲弊することはなかったのに,という方がいらっしゃいます。まじめで内向的な人なんかにその傾向が強いです。こういう人は,「借りたものは何が何でも返していかなければいけない。」,「最初に約束で決めたのだから,それはお支払いする必要がある。」と頑なに墨守する傾向が強いのです。確かに倫理では借りたものは返すのが人道です,と答えるでしょうし,社会常識には違いありません。

しかし,貸金業者というのは金を貸すことを商売をしている業者です。そもそも小口金融というものは,貸し倒れリスクを背負って行うものです。将来のことは誰にもわかりません。みんながみんな約束通り返せるとは限らないと考え,その上で利益が出るよう努力しているのです。100人に貸して,5人からは返してもらえなくても残り95人から105の利益を上げる,そういう存在なのです。それを「借りたものは返すのが人道でしょう。」と業者に言われ,さいなまれる必要は私はないと思います。経済行為には当然失敗もあるでしょう。ですから,そういう状態になってしまったら,潔く我々のような法律のプレーヤーに任せてください。

任意整理は借り入れが少ないうちに

債務整理すべてについて言えることなのですが,特に任意整理は業者との個別交渉を基本としていますから,元本カットの効果はありません。したがって,元本だけでも3年に分割して支払うことができない額に脹らんでいた場合,この手続きはとれないのです。そういった場合,必然的に個人再生か破産の手続きを取らざるを得ません。

それはあまり幸せなことではないと思います。

特定調停とは

特定調停とは,あまり知られていないのですが,安価に借金を解決できる有効な手段の一つです。特に自分で債務整理をしたいとお考えで,なおかつ何度か裁判所に足を運ぶ労をいとわなければ,一社につき数千円で任意整理と同じ結果が得られます。

この手続きは,簡易裁判所で調停委員を交え,相手方債権者と話し合って今後の返済計画について合意していく裁判所の手続きです。そのため和解の成立は利息制限法内の金額になります。

ただし,あくまで返していくことを話し合う場所ですから,もし長い間借り入れの経緯があって,払いすぎていた利息が逆に貯まっている(これを過払い状態と言います)場合であっても,それを取り返すことはこの手続きではできません。また,あってはならないことなのですが,調停委員が不勉強で利息制限法を理解していない場合もあり,処理が一律でない時期もありました。

それを差し引いてでも,自分自身で解決するのであれば有効な制度に違いはありません。

申立書等の資料>>申立て等で使う書式例

任意整理と特定調停の違い

基本的にどちらも元本をカットすることはないため,借り入れ時期が比較的新しく,返済金額も大きい場合には功を奏しない手続きです。

手軽な手続きである点は共通ですが,それ以外の特定調停のメリットは次のところにあるのではないでしょうか。
○ 自分でできる。
○ 給料差し押さえがある場合,執行停止命令を発令してもらえる。

逆に,任意整理に対して不利な点,デメリットをあげるとすれば次のとおりです。
× 弁済の合意が債務名義化してしまう。(将来何かを差し押さえるとき,改めて裁判を起こすことなく迅速に押さえられてしまう)
× 平日,何度か裁判所に足を運ばなければいけない。
× 明らかに支払う見込みがない場合,開始してもらえないことがある。

自分が借りたお金だから,自分で何とかする! という強い信念の方には,特定調停をおすすめします。何も専門家になど頼まなくても,借金は法的に解決できるのですから。

個人再生とは

個人再生とは,正確には個人債務者再生手続きといい,平成13年4月から施行されました。民事再生法の小規模個人版という位置づけです。

任意整理と対比するとわかりやすいのですが,任意整理は将来利息のカットと,業者の余剰金利利益の吐き出しの2点によって成り立っています。

個人再生の場合,上記に加え,元本カットをすることが可能になります。約定金利で300万円の負債が,利息制限法に引き直したら200万円になったとします。任意整理や特定調停では,この200万を3年で返すのが原則になりますが,個人再生は,この法的に有効な200万のうち,一部を3年で払うことで,残りを免除してもらえることになります。

いわば,任意整理と破産の中間の手続きが個人再生なのです。

司法書士申し立ての個人再生について

個人再生,破産は地裁に申し立てが必要となるため,司法書士は代理人となることはできません。現在のところ裁判所では(松山,大洲について),原則として弁護士である個人再生委員が選任され,再生全体につき指導がなされる運用になっています。

そのため申し立て報酬以外に,再生委員選任費用である15万円が別途必要になり,これを考えると,弁護士に依頼した方がトータルでのコストが低減される場合もあります。ご依頼いただく前に,複数事務所で費用等の話を聞いてからお越しいただくことをおすすめします。

メリット・デメリット

【個人再生のメリット】

  1. 免責不許可がない
  2. 資格制限や居住制限はない
  3. 住宅ローンはそのまま払いながら,消費者金融のみ整理することができる
  4. 借金を大幅に圧縮できる
  5. 給料等に対する強制執行が停止される

【個人再生によるデメリット】

  1. 手続きに期間と費用がかかる
  2. 保証人に迷惑がかかる
  3. 債権者平等の原則が働くため,特定の債権者だけを除外することはできない
  4. 安定収入がないと申し立てできない
  5. 住宅ローンを除く借入が5000万円以上の借金がある場合は使えない
  6. 住宅に,住宅ローン以外の抵当権がついている場合は,住宅ローン特別条項は使えない
  7. 「官報」(政府発行の新聞)に掲載される

どんなときに個人再生を申し立てる?

一番多い理由は,住宅を守りながら,無理のない返済計画を立てる場合です。

例えば,A.住宅ローン1500万円,B.その他500万円の負債があるとします。このとき,破産・免責はA,Bの両方を0にするための手続きですが,個人再生ではAについては1500万円全額,Bについては100万円を分割して支払う,といった柔軟な計画が可能になります。なお,この場合,残り400万円は免責という扱いになります。

そのため手続き上,Aの住宅ローンを払っていくことが可能ですから,結果として住宅を手放さずに済むことになります。

もう一つは,免責が見込めない借入の場合です。ここ半年で何百万もギャンブルや浪費で借り入れてしまって,すぐざま破産申し立てをして返済を逃れようとする場合など,明らかに免責不許可にあたると考えられる場合には,破産手続きが使えませんので,裁判所の指導のもと,ある程度払える金額まで減額した金額を払っていくという個人再生を使うことになります。

一般の多重債務の場合,後者の場合というのはあまり多くありませんし,免責が受けられない可能性というのはそれほど多くないですので,任意整理で返済が難しければ破産を選択する場合が多いです。その中で,どうしても住宅を守る必要がある場合に個人再生を申し立てて解決していくというのがこの手続きの位置づけではないかと考えています。

小規模個人再生と給与所得者等再生

個人再生には,大きく分けて二つの区分があります。一つは小規模個人再生。もう一つが給与所得者等再生です。基本的に実務の場では,小規模個人再生が一般的です。

どちらも共通として,「総額5000万円以下の個人の債務者で,かつ,安定した収入がある場合」が利用できる要件です。安定した収入は,だいたい3か月平均で安定しているくらいだと考えてもらえればよいかと思います。ですから,自営業である程度毎月の売り上げに変動があっても申し立てることはできます。

これに加え,給与所得者等再生は,「給与またはそれと同様な定期収入が見込まれるものであって,給与等の変動額が少ない場合」について申し立てできます。いわば,小規模個人再生の特別バージョンのようなものです。

給与所得者等再生は,申立の要件が一つ厳しくなっていますが,その分特典もあります。それは,返済計画を提出する際,ある一定の条件さえクリアしていれば必ず裁判所に認可される点です。

ただ,その条件が結構ハードルが高いので実務ではあまり使われていません。それは,「可処分所得の2年分を3年間で返済する」というものです。あとで小規模個人再生について,返済計画の条件を記載しますが,これと比べて結構不利になることが多いのです。

多重債務問題に陥るということは,基本的には生活費を支出した余剰が少ないというのも一つの原因ですから,なるべく返済金額が少なくて済むような計画を立てます。結果,両方申立が可能だとしても,小規模個人再生が選択される機会が多くなります。

小規模個人再生だと一体どれくらい支払うことになるの?

ここではわかりやすく,すごくおおざっぱに書きます。実際には財産の取扱や負債の確定など細かい実務的な話はあるのですが,それを判断するのは専門家にまかせた方がいいです。

具体的には下の2つの条件で計算した金額のうち,『どちらか高いほう』を原則3年で分割して支払うことになります。

  1. 住宅ローン以外の負債の5分の1以上(負債額によっては10分の1以上)
  2. 自己破産したときよりは多く返済する(清算価値保障の原則)

例えば,1.総債務額700万円,2.破産したときの財産価値(自動車や保険の解約返戻金,退職金などの総額)が150万とします。このとき,1の条件だと700÷5=140万円となりますが,2の条件の150万円と比べて,2のほうが高額になりますので,150万円が計画を立てるための最低金額となります。

上記設例では,150万を3年(36回)で返すことになり,住宅ローンの返済は考慮するとしても,月々4.2万円の余剰があれば借金を解決することが可能となります。なお,個人再生では5年(60回)までの分割が可能なため,月2.5万円の余剰があることが,最低条件です。これでも難しい場合は,残念ながら住宅ローンと現在の収入が見合っていないということですので,手続き面を含め再考していく必要があります。

個人再生にはどれくらいの期間がかかるの?

個人再生は,特定調停や破産と同様,裁判所を介した債務整理の手続きです。また,破産と異なり,自分で返済計画を立案し解決していくという手続きなため,かなり大量の書面を裁判所の指定する期日までにそろえて提出する必要があります。

当事務所では,基本的に生活に余剰があるかどうか,また個人再生申立費用(再生委員15万,実費3万)を積み立てるため,3か月の準備期間を設け準備します。

裁判所に申立をした後も,裁判所からの呼び出しがあるまでに1か月,そこから4か月くらいの間に,債権届出期間があり,債務額が確定した後に計画を提出,多数決を経て認可という一連の流れがあります。

そのため,申立までに最低3か月,申立から認可決定,支払開始までに6か月くらいかかる計算になります。場合によっては1年近い期間がかかることもあります。

このうち,裁判所の呼び出し以外の書類作成,提出等は司法書士が行うことができますので,実質的には,ほぼ任せていただくことにはなります。

自己破産とは

破産手続きとは借金を返済出来なくなった人が採る最後の手段といえます。他の制度が減額や分割して支払っていく,いわゆる再建型手続であるのに対し,破産は一度負債を0にしてやり直すという清算型手続です。この制度は,支払不能の状態にあるならば,誰でも利用できます。

この制度では生活に必要なもの(家財道具,テレビやパソコン,携帯電話等)以外の財産で,不動産や自動車など20万円以上で売却できる自分名義の財産は原則として処分し,債権者に対し返済に充てなければなりません。これらの財産を処分してもまだ負債が残るのであれば,それは帳消しにするという国家の制度なのです。

自己破産という制度は,このホームページをご覧の皆さんも一度は聞かれたことがある,一番馴染み深い解決方法ではないでしょうか。

支払い不能とは

支払い不能とは,約束通りの金額を支払っていくことではいつまでたっても返済が終わらない状況を指します。目安としては,全額返済するのに3年以上かかるかどうかです。手取りがいくらか,ということは関係ありません。

今,借金は全部でいくらになりますか? あなたの手取りはいくらでしょう? そのうち月々返済にまわせる額はいくらになりますか? そこから支払い不能かどうかを判断していくことになります。

【1.支払不能の人の例】
借金の額:160万
手取り月給:13万
月々返済に回せる額:3万
160−3×12×3=52
3年経っても52万円借金が残ってしまっています

【2.支払不能でない人の例】
借金の額:400万
手取り月給:50万
月々返済に回せる額:18万
400−18×12×3=−248
3年経ったらちゃんと借金が返済できています

このように,支払い不能かどうかは返済可能額によって大きく異なってきます。実務的には,一般にサラリーマンで300万円も負債があれば約定利息だけで7,8万にはなりますから,これと併せて元本を支払っていくことは難しいため,まず支払い不能と認定されるでしょう。(ただし,高金利状態で長い間返済を続けていれば,利息制限法による引き直し効果が大きいですから,任意整理で解決する場合も多いですが。)

破産手続の内容

破産手続とは,1.破産手続と,2.免責手続の二つの段階からなります。一概に破産したからといって,借金が棒引きになるとは限らないのです。

1.破産手続とは,「財産より借金のほうが多く,支払不能の状態である」と裁判所が判断する手続きです。破産申立書を裁判所に出して,支払不能の状態であると裁判所が認めた場合に,はじめて破産手続開始決定となります。この開始決定により,破産者となります。

2.免責手続とは「借金を返さないとしてよいか」を裁判所が決める手続きです。実は,一番気になる借金が帳消しになるかどうかは,2.の免責手続により決まるのです。ですから,借金を支払不能と認められても,「この人の借金は帳消しにしないほうがよい」と裁判所が判断したら,借金は帳消しにならないのです。

破産者っていつまでを指すの?

一般に,破産したら一生破産者だと考えている人が多いのですが,実はそうではありません。法律上,破産者というのは1の破産開始決定から2の免責決定の間までが破産者と呼ばれる期間です。ですので,その期間は職業制限等にかかりますが,早ければ2ヶ月から,遅くても1年くらいで破産者としての地位は終了するのです。

では,2の免責が受けられなかった場合はといいますと,破産から7年を経過すれば破産者ではなくなります。または,背負ってしまった借金を全額返済し終えたときにも破産者ではなくなります。

ただし7年が経過したからといって,自動的に借金は帳消しにはなりません。つまり破産と免責は全く別個の制度なのです。

借金が帳消しにならない場合とは

では,気になる帳消しにならない場合(専門用語では,免責不許可事由といいます)はどういったものなのでしょう。少し例を挙げてみます。

  1. 自分の財産を隠したり,壊したり,債権者が借金を回収するのを邪魔すること
  2. 買い物などの浪費や,パチンコなどのギャンブルで借金を大幅に増やした場合
  3. 換金目的でクレジットカードを使って買い物をして,商品を質屋などに買い取ってもらった場合
  4. 返済が出来ない状態なのに,そうでないかのように思わせて借金をした場合
  5. 生年月日や名前を偽って借金をした場合
  6. 財産に関する書類などを隠したり,偽造したり,変造した場合
  7. 虚偽の債権者一覧表を裁判所に提出した場合
  8. 一部の債権者にだけ借金を偏って返した場合
  9. 過去7年以内に自己破産をして,免責を受けた場合
  10. 破産管財人などの職務を妨害した場合
  11. 破産法に定める破産者の義務に違反した場合

以上のように,借金を帳消しにするのが一般に社会的に見て相当ではない,と考えられるときです。ただし,上に挙げたような例に当てはまっても借金が帳消しにしてもらえることもあり,それぞれのケースによります。これを裁量免責と呼び,よほど悪質で更生の見込みがないような場合でなければ何とかなる場合が多いのが実務の現状です。

ちなみに,故意に財産を隠匿したり債権者一覧に挙げなかったりする場合,免責が下りないばかりか,詐欺破産罪により罰せられますので,破産や個人再生手続きをとる場合は特に,正直にすべてを申告してください。

同時廃止と管財事件

自己破産手続きには,財産があるか,ないかによって予納金や免責までの期間が大きく変わってきます。ちなみに,ここでいう財産は不動産,自動車,退職金,生命保険などです。

財産がある場合は,それを債権者に公平に分配する必要があります。何も無い場合は分配できないので,そこで破産手続が終了,というわけです。財産がある場合は「管財事件」,ない場合は「同時廃止事件」といいます。管財事件になっても,調べてみたら財産になるものが無かった場合には,手続きは廃止されます。これを「異時廃止」といいます。

管財事件と同時廃止事件の区別は,裁判所によって基準が違いますが,大まかに言って,

  1. 不動産,自動車,預貯金など,一つでも処分価値が20万を超える場合
  2. 財産の総額が66万円を超える場合(現金のみの場合,99万円まで可能)

は管財事件となるとされています。これはそれぞれの裁判所の運用が異なりますから,専門家と話し合って対応していく必要があります。

同時廃止と管財事件には,予納金の額に大きな開きがあり(同時廃止が1万円程度なのに対し,管財事件は20万から),破産をするにもお金が必要という矛盾した状態を生み出しているのは事実です。

破産したら無一文になるの?

破産すると何もかも失ってしまうと躊躇される方もいらっしゃいますが,破産制度はそれほど恐ろしいものではありません。破産制度も,多重債務者の生活を立て直す制度である以上,一定の財産を保持し,生活していくことを念頭に組み立てられています。

では,どんな財産は持っていられるのでしょうか。この破産しても持っていてかまわないもの(法律的には自由財産といいます),というのは,基本的に価値のない財産,生活に必要な財産です。以下に処分されるもの,しなくていいものを例示してみます。

差し押さえの対象になるもの(処分しないといけないもの)

  1. 不動産
  2. 自動車(実際に処分すると20万以上になるもの)
  3. 生命保険の解約返戻金(解約すると20万以上になるもの)
  4. 退職金4分の1(退職金を前借したり,会社を辞めて退職金を受け取ったりする必要はなく,4分の1相当額を裁判所に納めればよいので心配しないでください)
  5. 20万以上の貯蓄

差し押さえの対象にならないもの(処分しなくていいもの)

  1. 必要最小限の家財道具,生活に必要な身の回りのもの
  2. 現金99万円以下
  3. 電話加入権
  4. 住んでいる家の敷金(20万円を超えても)
  5. 退職金の4分の3(あるいは8分の1)
  6. 年金,恩給など

ただし,一つが処分財産に当たっても,総財産が66万円までの範囲に収まるのであれば,自由財産と扱われることがあります。これは財産全体を見て裁判所が決めます。

以上を見ると,意外に多くのものが残せるのに気づかれると思います。

仕事や賃貸住宅を出ていかなければいけないの?

退職金や敷金など,返済に当てるような分類になっていますが,それでは破産するときに仕事を辞めて返したりしなければならないのでしょうか。

実はそんなことはありません。職業制限に引っかからなければ仕事は続けていけますし,住宅も,家賃滞納で追い出されるのでなければ法的に住み続けて何の問題もありません。

ただし,社会的な目として,破産者だからといって職場や借家にいられなくなることは今までの経験からしてあります。悲しいことです。

破産によるメリット,デメリットについて

【破産のメリット】

  1. 借金が帳消しになる
  2. 給料等に対する強制執行が停止される
  3. 借金の額に関わらず利用できる
  4. 無職の人,収入の少ない人でも利用できる
  5. 取立てがストップする

【破産によるデメリット】

  1. 財産を処分しなければならない
  2. 資格制限を受ける
    例)証券会社外務員・教育委員会委員・保険外交員・警備員などの職業,各種士業
  3. 一部のみの債権者を優遇できず,全ての借金が対象になる
  4. 保証人に迷惑がかかる
  5. 市役所の破産者名簿に記載される
  6. 「官報」(政府発行の新聞)に掲載される
  7. 信用情報機関のブラックリストに載る
  8. 悪質な業者に狙われやすい

また,管財事件(財産がある場合)は加えて下のようなものがあります。

  1. 財産を自由に処分できなくなる
  2. 破産管財人の方に郵便物が行ってしまい中身を調べられる
  3. 引越し,長期の旅行に裁判所の許可が必要

一般的なデメリットといわれるのは,7のブラックリストに載るためしばらく借り入れができないことくらいです。また,破産開始決定と免責許可決定は官報に記載されますが,これを見ている人はまずいないのが現状です。

メッセージ

債務整理は,今の借金を整理しようという覚悟さえ決めれば,いつでも出来るものです。任意整理,特定調停,個人再生,自己破産と必ずやり直す機会はあります。 しかし,貧困を解決するのはまた別です。どの手続きも,今ある負債を整理してしまうことはできるのですが,個人の考え方や生活まで変えてしまうことまではできません。

そこで,今一度冒頭で挙げました借金には常習性がある,ということを思い出してほしいのです。

債務を一度法的に整理してしまうと,一定期間消費者金融や金融機関から借り入れができなくなり,またローンも組めなくなります。しかも,あなたの名前や住所が官報に載ってしまうことから,それを参考にして法定利息をはるかに上回る金利で貸し付ける無登録業者,いわゆるヤミ金に狙われやすくなります。

そのため,借金の常習性にとりつかれたままでは,再び借金地獄に陥ってしまうことは目に見えています。生活が,再び交遊費や生活苦といった悪い借金に依存し,苦しむものになることを我々は望みません

あなたのこれから生きていく人生を,二度と借金によって苦しまないようにしていただきたいのです。それには自分の夢や,やりたい仕事ではなく,つらい仕事について収入を安定させたり,自分自身の生活習慣,考え方をもう一度見直したりすることが必要かもしれません。それは,誰にとっても今までの自分を否定されているようで,非常に辛いことです。しかし,それでも,将来お金に支配されるのではなく,自分自身の意志で生きていっていただきたいのです。

債務整理とは,今ある借金を何とかするだけの事務ではありません。我々は,あなたの抱える問題を一緒になって解決したいと考えています。もし「相談してみようかな。」という気になられたら,気軽にご連絡いただければ幸いです。

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